2012年4月9日月曜日

おじいちゃんおばあちゃんは孫の未来に何を残すべきか?:イザ!


長女が結婚して大分経つが、いまだに子供が生まれる気配はない。本心は待ち遠しいが、急かしたりしたら叱られそうなので、ただただ静かに待つしかない。

 

そいういうわけで、孫が何人かいてもおかしくない年齢だが、いまだに孫がいない。
だから、孫のいる人の気持ちを想像はできても、それが実感を伴ったものではないのはやむを得ない。

 

孫に「おじいちゃん」とか「じいちゃん」と呼ばれると、いかにも年寄りの感じがするからと、「じいじ」とか「グランパ」などと呼ばせる人がいる。しかし、私は普通に「おじいちゃん」でいいから、早くそう呼ばれてみたい。

 

「じいじ」なんて並べ替えれば「じじい」だし、「グランパ」は津川雅彦さんみたいなかっこいい俳優ならともかく、私なら「グランパ」と人前で呼ばれたら、近くにいた人が振り向いて笑いそうだ。

 

いないから、余計にそう思うのかもしれないが、孫というものは本当にかわいくてたまらない存在だと思う。
それは、孫を見ることによって、自分が死んだ後も血を分けた子孫がこの世に存在し続けることがよりはっきりとイメージできるからではないか。

 

しかし、いくらなんでもこのかわいがり方は、常軌を逸していると思う。

 

「ウチの孫がなぜ主役じゃない!」で学芸会に白雪姫7人登場

 


デビー·ヒギンズマッコールはどこにあるの

いまやどこの学校にも出没する「モンスターペアレンツ」。ところが最近、「育メン」ならぬ「育ジイ」が「モンスターじいちゃん」へ変貌するケースが増えているという。他山の石としたい。「モンスターじいちゃんの大暴走」事例集。

 

【「白雪姫が七人」のトンデモ舞台】

 

学芸会が近づいたある日のこと、「孫が主役じゃないとはどういうことだ!」と7人のおじいちゃんから猛抗議。劇の幕が開くと、舞台には白雪姫と小人が7人ずつ並んで登場。押し合いへしあいのトンデモ劇になってしまいました。(幼稚園教諭)

 

【園長に制服廃止を直談判】

 

いつものように女の子の孫のお迎えにきたおじいちゃん。その日は思いつめた顔をして園長のところにやってきました。「うちの孫は、園の制服よりも自分たちが買ってあげた洋服の方がよく似合う。どうか制服を廃止してほしい」。呆れる園長を尻目に、いつまでもしつこく訴える姿に感動すら覚えました。(幼稚園教諭)

 

【授業参観で校舎建て替えを要求】

 

 授業参観に来たおじいちゃんがこんなことをいうんです。「うちの孫はきれい好きなんだ。こんな汚い校舎じゃ、集中して勉強もできない。成績が落ちたらどうするんだ。今すぐ校舎を建て替えろ!」。このあたりの公立小学校の中ではきれいな方だと思うんですけどね。(小学校教諭)

 


※週刊ポスト2011年10月21日

 

いずれも「本当かいな?」と言いたくなる事例だが、中にはそんな人もいるのだろう。それに、「育メン」ならぬ「育ジイ」が増えているというのは、いかにもありそうな話である。

 

妻にこの話をすると、「最近のおばあさんは友達づきあいとかで忙しいから、自分の代わりに孫の面倒を見させてるのと違う?」と言っていたが、案外そんなところかもしれない。

 

週刊ポストの記事は特殊な例としても、私と同年代以上の年寄りが店などで大声で文句を言っているのに出くわすことは結構ある。

 

孫とは直接関係のない話だが、私の身の回りではこんなことがあった。

 

先日、市の図書館で職員に文句を言っている同年輩の男性がいた。静かな図書館だから言っていることが全部聞こえてくる。しかも、会社で部下を叱っているような口ぶりだ。

 

人気の新刊などは予約をしておかないとまず借りることが出来ない。この男性はやっと順番が回ってきたのがその「上巻」で、「下巻」が同時に手に入らないことに文句を言っている。

 

上巻と下巻を続けて読まないと、せっかく覚えた登場人物の名前やストーリーを忘れてしまって具合が悪いので、何とかしろというわけだ。とはいえ、自分でも何とかならないことは判っているようで、腹いせに文句を言っているのである。

 


他にも、似たような事例には時々出くわすが、特に最近、こういう自分勝手なことを主張する年寄りを良く見かける気がする。こういうわがままというか身勝手な言動を見ていると、同じ年寄りとして恥ずかしい。

 

孫の学芸会の配役で猛抗議したり、幼稚園や学校に自分の主張を押し付けようとしたりするのも、これと同じようなことなのだと思う。本人はそれで気が済むかもしれないが、逆に孫のほうは嫌な思いをしそうだ。

 

年寄りの身勝手で私の頭に浮かぶのが、「年金生活者はデフレ不況でもあまり困らない」という事実である。

次のグラフを見て欲しい。国民が政府に対して、どんな政策に力を入れて欲しいと考えているかを、年齢別に表したものだ。

 

 

まあ、当たり前といえば当たり前なのだが、60歳を越えると景気や雇用に対する関心が急激に薄れているのがよく分かる。一方、この年代は現在の自分に関わる医療や高齢社会対策には高い関心を示している。

 

しかし、本当に孫がかわいいのなら、その将来が気になるのなら、景気や雇用にもっと関心を持つべきではないか。円高、デフレ、不況は資産を持つ年寄りには影響が少ないが、現役世代にとっては直接悪い影響のあることなのだ。

 


いまのような状況で増税だTPPだと更に日本の景気を落ち込ませる政策を許せば、『経済が縮小し、道路や橋、堤防などの災害対策やインフラが荒廃した日本』を子や孫に残すことになってしまう。

 

私も含めたおじいちゃん、おばあちゃんの世代は、一時的に政府の負債が増えてもいいから適切な財政出動と金融政策を行い、『インフラが整い、安全で豊かな、子や孫が将来に希望が持てる日本』を残すほうを選択するべきだ。

 

(以上)
 

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